がんについて

ゴム手袋を装着する若い医師

咽頭がんは部位により三つに分類されます。上咽頭がんは鼻の奥の部分で発生し、周りには目や鼓膜があるので難聴や物が二重に見えるなどの症状のほか、鼻血や頭痛が起こります。中咽頭がんは軟口蓋から扁桃腺、舌の付け根の部分にかけてで、のどのはれや呑み込む際の痛みなどがみられます。下咽頭がんは食道の入り口付近で発生します。のどの違和感がおき、次いでのどの痛みや声のかすれなどが現れます。症状が進むと食事を呑み込むことが困難になります。原因としては、アルコールの過剰摂取や喫煙習慣が大きな要因と考えられていますが、近年の研究では、EBウイルスやパピローマウイルスががん発症に大きな影響があることがわかってきています。

上咽頭がんにおいては、放射線療法と抗がん剤を用いた治療の効果が高く、外科療法はほとんど選択されません。エックス線を照射してがん細胞を死滅させ、がんの転移を防止し根治させるために抗がん剤を投与します。中咽頭がんでも放射線療法が効果を発揮しやすいので第一に選択されてきましたが、近年においては再建手術の技術向上によって機能を残しつつ広範囲の切除が可能となり、外科療法と放射線療法を合わせたより高い効果を発揮する治療法が広まっています。下咽頭がんでは外科療法が中心となっており、補助的な役割で放射線療法や抗がん剤が使用されます。声を出す機能を残す場合、これまでは再発などの危険がありましたが、再建手術の技術向上や術後管理の徹底などにより積極的に温存手術が行われるようになりました。